Vol.1
中国の情報システムは人力の効率化という段階をハイスピードで駆け抜けたが、弊害も多い。例えば、海外の先進的なコンピュータシステムを熟知せず表面的に導入した結果、情報が適切に入力されずに、システム自体がうまく稼働しないなどの問題が起きている。また、ERPが導入されていても、多くの生産現場では相変わらず慣れ親しんだEXCELで管理しているのが現状である。中国の人件費が高騰している現在、情報システムは今まで以上に生産現場の効率化の実現を期待されている。

実行系情報システム導入の難しさとは?
 生産現場のPDSCを管理する生産スケジューラは、日系・中国系・その他外資系を問わず、中国工場での導入が進められている。
財務などの管理系システムの導入にあたっては、日本本社もよく理解している。提出すべき情報は国によって異なるとは言え、その内容は法律により決められているので、完全に別物という状況にはなりえないからだ。しかし、生産スケジューラのような現場で使う実行系情報システムとなると違ってくる。生産ラインは製造物やその管理レベルにより、実現すべきシステムが大きく異なる。ひとつとして同じものはないに等しい。財務会計システムと同じ感覚でガバナンスを強要すれば、失敗は明らかだ。
実行系システム導入成功のための大きな要素は、現地での実地経験と導入ノウハウに尽きる。したがって、中国に拠点のない海外の生産スケジューラメーカーの製品はことごとく導入に失敗している。また、広大な中国市場では、メーカーだけで対応することも難しい。遠隔地でトラブルが発生した際には、現地パートナーでなくては迅速な対応ができない。協力してくれるパートナーの存在とその実績経験も見逃せない要素である。

システム導入が成功する条件
当社は中国で100以上の工場に生産スケジューラを導入してきた。
その中で成功する条件・失敗する条件が明確になってきた。そのひとつは、生産現場と情報システムを管理する中国人のリーダーにシステム導入は任せるべきである、ということ。そうはいっても、日本人の管理者も必ず報告を受け細かい点まで把握しておくことは不可欠である。中国では新しい情報システムが稼働を開始する際に担当者が転職する場合があり、常に非常時に備えておかなければならない。
中国の工場では長い間、手造りのシステム開発が主流であった。そのため、システム導入後になって仕様の変更が膨らむことが多い。パッケージソフトウェアをカスタマイズで対応しているとパッケージソフトウェアを選択したメリットは減っていく。その点、当社製品のようなカスタマイズを許さない製品の導入は当初の目的からはずれることはない。
次回以降は当社ユーザに取材し、生産スケジューラ導入の目的や導入の困難、導入後の効果などについて語っていただく。それぞれの導入成功までには紆余曲折があった。各実例を通じて、生産スケジューラ導入をお考えのお客様に役立てていただきたい。

アスプローバ上海 (派程(上海)軟件科技有限公司)
藤井賢一郎 総経理
半導体工場でユーザSEとして生産管理システムを構築後、生産管理のパーケージメーカーの営業技術に転身。生産計画ソフトウェア Asprova APSの販売に関しては、日本で約300社、中国でも約100社の実績がある。2005年より現職、日々中国全土の工場を訪問している。

派程(上海)軟體科技有限公司 Tel: 86-21-6440-1023
深圳事務所Tel: 86-755-2917-9897 www.asprova.cninfo@asprova.cn